"まだ先の話"と思っていませんか?知っておきたい「葬儀・法要で大変だったこと」
冠婚葬祭のうち、家族間で話題にしにくいものが「葬」にまつわる段取りや知識。
しかし、人の死は予想できるものではありません。 段取りやしきたりを教えてくれる親戚・近所付き合いなどの人間関係も薄い現在、 当事者になってから慌てる人が多いようです。
そこでアンケートデータバンクでは、
「お葬式から四十九日の法要までで大変だったことは何ですか?」
というテーマで回答を募集しました。
(回答数は280件、うち女性161件・男性119件)
このアンケートの結果を基に準備しておくべきことを考えてみてはいかがでしょうか?
いざと言うときの心構えに、役立つ意見が集まりました。ぜひ、参考にしてください。
○お葬式の手配、関係者への連絡、食事の用意・・・「葬儀・法要関係」が1位
もし家族の誰かが亡くなった時。
親戚はもちろん、故人と親しい関係者の連絡先を知っていますか?
「親族に連絡を取るのが大変でした。法要当日の席順の決め方も
結構頭を悩ませました」
との意見があるように、人数・出席者が把握できないと葬儀の準備にも差し支えます。
「とにかく、初めてのことだったし急なことだったので、
全てがバタバタしたままで今でもよく思い出せないほどです。
何をしなければいけないのか、全体的な流れがわからなかったのが大変でした」
と、慌てる人も。
「葬儀・法要関係」にまつわることが大変だったとの回答が、34.3%で1位でした。
内訳は「お墓や葬儀の準備」「食事の支度」「親族・関係者への連絡」など、
すぐに動かないといけないことだけに大変なようです。
中に「逮夜(たいや)参り」が大変だったという回答がありました。
皆さんはご存知でしょうか?
仏教では、亡くなられた日から七日ごとに、閻魔大王を始めとする諸王に
生前の善悪行に関して裁きを受け、各菩薩に教えを受け、七回目の七日(四十九日)に
次に生まれ変わる世界が決まるといわれています。
その七日ごとに故人の成仏を願って法要を営むというのが逮夜参りです。
一般的には、初七日と五七日にお坊さんを呼んでもらうところが多いですが、
仏教の宗派や地域によっては、すべての逮夜にお経をあげてもらう場合もあります。
「母の実家は四十九日まで1週間に1回お坊さんが来る風習があったので
行かねばならず、仕事場に迷惑をかけました」
と、葬儀だけでなく忌明けまでの法要に出席するための予定調整も必要になってきます。
また回答数は5.4%と多くはありませんが、地方・宗教の独特の「しきたり関係」を
挙げている回答がありました。
「1週間、肉や魚を食べてはいけない」
という精進料理を食べる風習から
「主人の実家の葬儀は前夜祭(御通夜の前日夜中まで)・お通夜・
告別式(朝4時起き)と接待があり、告別式の最中お焼香に来られる方に
御辞儀をしている時、貧血で倒れそうになった」
と辛そうなものまで。
まずは、家族が属している宗派やお寺を知っておくこと。
次に、地元の葬儀や法要のしきたりを年配者に聞いておくこと。
「何かと昔からのしきたりが厳しいので、香典の額や席順がどうだとか
とにかく口うるさい親族がいました」
しきたりを知らないまま葬儀に臨むと、あちこちからいろんなことを言われて
誰の言うことが正しいのかわからなくなりますので、やはり普段から折に触れて
教えてもらうことを心がけておきましょう。
○誰に何をどれだけお返しすればいい?・・・2位は「忌明けのお礼関係」
「忌明けの御礼関係」が11.1%で2位でした。
葬儀や弔問でいただいた香典袋の数の多さに驚くケースもあるようです。
「お葬式が終わったあとの香典返しに時間がかかりました。270件ほどでしたが、
住所を調べるのに時間のかかったものがあって大変でした」
「香典を開いた時、記帳している人と、していない人との香典袋の突き合わせが
大変でした。出来る事なら、香典袋にフルネームと住所と電話番号を書いて
おいて欲しいと思いました」
このように、当日の受付を慌しくしていると住所・氏名の照合が難しくなりますので、事前に
「記帳をお願いする・確認する」流れをしっかり打ち合わせしておく必要がありそうです。
香典返しの金額は、よく「関東の半返し、関西の3分の1返し」と言われますが、
地域や家庭によって異なるようです。
いただいた金額が異なるため、お返しの品に悩んだという声が寄せられています。
「少額の香典には一般的な物でしたが、親しくしてくださっていた方や
高額の香典返しなどは、その方の趣味などを考慮しながら考えるのに
時間がかかりました」
との意見がありました。
まずは、一番多い金額の香典返しを決めて多めに手配をし、
次に個別に贈るべき人をピックアップしていくとスムーズではないかと思います。
商品選びに迷ったら、香典返し用のギフトカタログを活用するのもいいですね。
○3位は「心身の疲れ」、"悲しんでいる暇もない"忙しさを乗り切るには?
大事な人が亡くなったら。とても悲しくて、何かをする気力も湧かないかもしれません。
しかし、容赦なくお通夜・葬儀・次の法事の準備と「やるべきこと」が待っています。
大変だったことに「心身の疲れ」を挙げた人は、9.3%で3位でした。
「自分で自分の気持ちの切り替えができなくて、周りの皆に心配をかけてしまった」
「忙しすぎて寝られない。悲しんでいる家族のケアも大変なところ」
精神的な辛さに加えて、睡眠不足が重なる人も多いようです。
さらに、葬儀には多くの人が訪れます。
4位に入った「弔問客関係」の対応が大変だった人は8.2%、
「親戚付き合い」で悩んだ人も少数ですがありました。
「家にお線香をあげにきてくれる方の対応。累計100人を超えました。
母と一緒にお茶出しに疲れてしまいました」
「結婚して初めての法要でとても気を遣いました。
親戚中から嫌味を言われて、最悪・・・」
ゆっくり故人の思い出に浸る時間もなく、また心無い人の言葉で参ってしまうケースも
あります。
対策としては、親戚の中で年齢が近い人や気心が知れた兄弟姉妹を中心に、
冠婚葬祭の機会には積極的に協力しあうことです。
きっと、あなたが喪主になった時、悲しくて辛い場面で代わりに接客や親戚への
対応を助けてくれるはずです。
もし、そのような身内がいない場合には、お通夜や葬儀当日のスタッフを多めに
手配をして、事前の打ち合わせを丁寧にしておきましょう。
体調や気分が優れない時に、少し休めるぐらいの体制を整えておくと安心です。
○不安を解消するには、「情報収集」と「親戚・近所付き合い」がポイント
「葬儀から四十九日の法要までで大変だったこと」アンケートを整理すると、
1位 「葬儀・法要関係」 34.3%、 2位 「忌明けの御礼関係」 11.1%、 3位 「心身の疲れ」 9.3%、 4位 「弔問客関係」 8.2%、 5位 「費用」 6.4%
でした。
5位の「費用」に関しては、お墓を建てるところから費用が必要になったという人や、
葬儀社の言いなりで費用がかさんだ、お布施(お寺へのお礼)が高かったなどと、
たくさんの費用が掛かります。
このアンケートをきっかけに、葬儀にまつわる費用の相場の情報収集を
しておくのもお勧めです。
かつてのように頻繁に親戚や近所の人と交流が無い現代ですが、そのような人は、
さまざまな行事の折に教えてくれる「知恵袋」であり、「協力者」です。
小まめに挨拶をしたりして、つながりを持つことを心がけておくのが良いでしょう。
そうすることで、一緒に悲しみを分かち合う「故人のため」の葬儀・法要ができるはず。
アンケートを参考に「いざという時」に備えてください。
(データ概要) 集計期間 :2006/09/07〜2006/10/30 集計場所 :協力サイト上 対象者 :サイト訪問者 質問内容 :お葬式から四十九日の法要までで大変だったことは何ですか? 回答数 :280(女性 161 男性 119) データ形式:エクセル2003で作成 販売価格 :1,050円(税込)
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